クリニックとしては次の3つを理念として掲げています。

• 「患者様に真っ直ぐに向き合う」
• 「信頼できる医療連携の強みを生かす」
• 「次世代につながる医療教育の実践」

「安心・安全で良質な医療の提供」と「患者様に真っ直ぐに向き合う」の2つは、他院の理念でもよく掲げられているものだと思いますが、当院の場合は、院外に発信するためではなく、スタッフの一体感のために活用しています。

実は2020年、一緒に当院の経営を担っている事務長が中心となって、スタッフたちと理想の行動指針（クレド）をつくる研修を行ってくれました。理念をもとに、私が目指すクリニックとはどういうもので、それをもとにスタッフみんなで、普段心がけるべきクレドを考えてくれました。それが「常に笑顔！日々成長！来てよかった、また来たいを叶えるクリニック」というもの。今は、その言葉をスタッフルームに貼り出して、みんなが常に意識して行動にうつせるようにしています。

「信頼できる医療連携の強みを生かす」と「次世代につながる医療教育の実践」については、医療連携はあっても、次世代につながる医療教育まで踏み込んで行っているクリニックはそれほど多くないと思います。学生教育や後輩育成を考慮した症例の紹介などを通じて、母校の聖マリアンナ医科大学病院などと関わっています。そうすることで医療連携がスムーズに行えており、「安心・安全で良質な医療の提供」と「患者様に真っ直ぐに向き合う」といった理念を叶えることにもつながっていきます。このことからも、「次世代につながる医療教育の実践」が当院の競争優位性になっていることは、間違いありません。

私は母校(聖マリアンナ医科大学)とのつながりを大事にしてきました。
週に1回は必ず母校に顔を出せて、忘年会や歓送迎会、医局旅行などの院内行事に呼んでもらえました。「開業医は、孤独な職業だ」とよく聞きますが、母校との関わりがあったからこそ、私は一切そのように感じたことはありませんでした。

また、これまで数えきれないほどの患者さんを聖マリアンナ医科大学病院に紹介していますが、連携できなかったのはたったの1例のみ。手術中で忙しい時には、通常「他の病院に回して！」と言われてしまいますが、これまでの関係性があるので、そんな時でも受け入れてもらえました。

最近、母校の後輩が、どのクリニックからの紹介率が高いか調べてくれたのですが、母校と系列の川崎市立多摩病院を合わせると、当院の紹介率が一番高かったようです。要因としては、学生教育に携わっていることや、密な連携が取れていることだけでなく、後輩たちの育成につながるような手術症例を紹介しているのも大きいと思います。