舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)とは
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アレルゲン免疫療法は、減感作療法とも呼ばれ、アレルギーの原因である「アレルゲン」を少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげる治療法です。
アレルギー症状を治す可能性のある治療法と考えられています。
アレルギー症状のある疾患のうち、花粉症、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などに対してこの治療法が行われています。
- ■アレルゲン療法の特徴
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アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状をおさえる可能性のある治療法です。(症状が完全におさえられない場合でも、症状を和らげ、おくすりの使用量を減らすことも期待できます。)
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治療前に、症状がアレルゲンによるものかの確定診断が必要です。(問診やアレルギー検査などを行うことにより、症状を引き起こすアレルゲンを確かめます。)
- 治療は長期間(3〜5年)かかります。
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すべての患者さんに効果が期待できるわけではありません。
舌下免疫療法の「優れている点」と「注意すべき点」は?
- ■優れている点
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臨床試験の結果では、約8割の方に効果がありました。
そのうち、約2割の方は症状が出なくなりました。
残りの約6割の方は症状が改善しました。
- 免疫をつくる治療法ですので、根治が期待できます。
- ■注意すべき点
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治療には3年〜5年、毎日治療薬を飲み続ける必要があります。
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臨床試験の結果では、約2割の方には効果がありませんでした。
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万全の対策を講じますが、重大な副作用が生じる可能性を否定できません。
舌下免疫療法を受けられない方、注意が必要な方
- ■受けられない方
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- スギ花粉症もしくはダニアレルギーではない方
- 5歳未満の方
- 重い気管支喘息の方
- 悪性腫瘍(がん)や免疫系の病気がある方
- ■注意が必要な方
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アレルゲンを使った治療や検査によってアレルギー症状をおこしたことがある方
- 気管支喘息の方
- 65歳以上の方
- 妊婦の方、授乳中の方
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抜歯後や口の中の術後、または口の中に傷や炎症などがある方
- 重症の心疾患、肺疾患及び高血圧症がある方
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他に服用中のおくすりがある方[非選択的β遮断薬、三環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI)など]
- 全身性ステロイド薬の投与を受けている方
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スギ花粉およびダニ以外のアレルゲンに対しても反応性が高い方
副作用について
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※とくに注意してください
重篤な副作用が発生しないか、十分な注意が必要なのは次の場合です。
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- 服用後少なくとも30分間
- 服用開始初期(およそ1カ月)
- スギ花粉が飛散している時期
- ■主な副作用
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- 口の中の副作用
- (口内炎、舌の下の腫れ、口の中の腫れ)
- 喉のかゆみ
- 耳のかゆみ
- 頭痛
など
経過観察の上、症状が治まらない場合は直ちに受診が必要です。約2%の方に現れます。
- ■重大な副作用
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- ショック
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アナフィラキシー
医薬品などに対する過敏反応により、医薬品投与後多くの場合30分以内で、じんま疹などの皮膚症状や、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、突然のショック症状(蒼白、意識の混濁など)が見られます。
【アナフィラキシーの前兆】
下記のような症状が現れた場合、直ちに医療機関を受診してください。
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皮膚の症状
じんま疹、掻痒感、紅斑、皮膚の発赤などの全身的な皮膚症状(医薬品の投与数分から通常は30分以内に、初発症状のことが多い)
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呼吸器の症状
声がかれる、鼻がつまる、くしゃみ、喉の掻痒感、胸のしめつけ感、咳、呼吸困難、呼吸の音がゼーゼー・ヒューヒューする、チアノーゼなど
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消化器の症状
胃痛、吐き気、嘔吐、下痢など
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循環器の症状
頻脈、不整脈、血圧低下など
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眼の症状
視覚異常、視野の狭窄など
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神経の症状
不安、恐怖感、意識の混濁など
- ■とくに緊急性が高いアレルギー症状
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とくに下記のような症状が一つでもあてはまる場合、救急車を要請するなど、迅速な対応が必要です。
ご家族も注意してください。
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循環器の症状
頻脈、不整脈、血圧低下
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神経の症状
意識の混濁
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呼吸器の症状
声がかれる、喉の掻痒感、胸のしめつけ感、咳、呼吸困難、呼吸の音がゼーゼー・ヒューヒューする、チアノーゼ
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消化器の症状
持続する胃痛、持続する嘔吐
治療を検討している方は、必ず確認してください
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スギ花粉が飛散していない時期も含め、3年〜5年という長時間の治療を受けられる
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舌の下に薬を1分間保持したあと飲み込むことを毎日継続できる
- 毎月1度、来院・受診できる
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すべての患者さんに効果を示すわけではないことを理解できる
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効果があって終了した場合でも、その後効果が弱くなる可能性があることが理解できる
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アナフィラキシーなどの副作用がおこるおそれがあることが理解できる
治療の流れ
- (1)通常の診察
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通常の診察を受けていただき、アレルギー検査を行います。
※アレルギー検査を必ず受けていただきます。
(過去3年以内、他院で取ったアレルギー検査結果があればお持ちください。)
アレルギー検査の結果を確認し、舌下免疫療法の適応を判断します。
- (2)アレルゲンの初回投与
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当院にてアレルゲンの初回投与をおこないます。投与の後は、約30分間、当院で経過を見ます。
この日は、詳細な説明、舌下免疫療法を受ける同意書の記入手続きもあり、受付から会計終了まで1時間半〜2時間ほど時間を要します。初回投与希望日に関して診察終了の遅くとも1時間半前にはご来院いただきますようお願いいたします。
また、一週間後に薬剤の増量をおこなうため、一週間後に受診可能なことが初回開始の条件となりますので、併せてご確認いただきますようお願いいたします。
- (3)はじめの7日間(初期)
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舌下錠は、1日1回、舌の下に1分間保持した後、飲み込みます。その後5分間はうがい、飲食をひかえてください。なお、投与の基本的なやり方は、その後もずっと変わりません。
- (4)決められた一定量を服用(維持期)
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毎日同量の舌下錠を投与し続けます。
これを3〜5年間継続します。
※少なくとも1ヶ月に1度の受診が必要となります。
参考資料
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効果やリスク、具体的な治療イメージなど、ご自身でよく調べておくことを強くおすすめします。下記のサイトに、有効な情報がありますので、ぜひご覧ください。